バリー・N・マルツバーグ「ローマという名の島宇宙」(1975)


 タイトルは「ブラックホール」を意味する。(「すべての道はローマに通じる」から。)

 なんともはや、共感しにくい作品である。いやそもそも、共感されることを拒絶しているのだろう。一種のメタSF(というかメタ小説)で、ジャンルSFの様々な慣習や約束ごとを皮肉りながら、ブラックホールをめぐる、なんだか良く判らない物語が語られてゆく。その(言わば作中作である)作品のアイデアは、結構面白そうなのだが、それを徹底的に覆っているメタな饒舌(「ここらで宗教的要素を…」「フロイドのシンボルを…」云々)が、叙述をややこしくしている。

 中にはこんな作品が含まれているのも、悪くはない。皮肉ではない。当惑でもない。



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MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Apr 3 1996 
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