とにかく、体を動かして息を出す。
下腹を引っ込め、背筋で押し出し、上半身は心持ち上を向く、という一連の運動は、頚椎にまでつながっている。頚椎までまっすぐに音が通り、声が響く感覚。
(順番待ちの間、他の人のレッスンに合わせて(もちろん声は出さずに)呼吸したり、筋肉を動かしたりして、イメージトレーニングしているのであるが、これをしていると貧血気味になる。[;^J^] これは体力の問題だろうか? それとも、今日は朝食も昼食も食いそこなって、コーヒーしか飲んでいないせいかな。[;^J^])
自然に開けたところに当てる、息の量と、息の“スピード”の感覚。顎の力を抜く。顎を外す。顎を忘れる。特に高音を出す時に、顎に声が入ってはいけない。顎に声を入れずに、額に当てる。
顎に声が入っているか否かの確認は、簡単である。発声しながら顎を左右にガクガク動かしてみると良い。顎に声が入っていると、顎の動きでモジュレーション(変調)がかかる。入っていなければ、変調はかからず、まっすぐなままの声である。
声というのは、力が入ったところに入る。力が入ったところで響く。
喉に力を入れると喉に響く。
顎に力を入れると顎に響く。
つまり、まっすぐに抜けるべき声が、途中で引っかかってしまうわけだ。力を抜いて、どこにも引っかからないように。力を抜けば、ストーンと頭まで声が来る。
高音を出す時には、重心は下に。
声のイメージは頭頂部に、重心はそれを逆に引っ張るように、反対に下へ、そして声の実体は(もちろん)前方へ。この3本のベクトルを“感じる”こと。重心を低く感じるための補助運動として、掌に砲丸を持って、それを低く下げていくイメージの運動。
コンコーネの16番。1オクターブの跳躍があるのだが、どうもこれを意識し過ぎて、上を向き過ぎる傾向があるようだ。ト音譜表中段のCやDくらいならば、正面を向いたままで丁度良いみたい。もちろん、重心は下へ。
(今日はビリビリ口の周囲と腕の外側が痺れる。[;^J^] やはり酸欠である。[;^J^])
目次へ戻る息は、かなり回っているように思える。「ア」や「オ」の場合は。
「イ」で歌い出して上がっていき、てっぺんで「ア」になって降りてくる、という苦手なパターンだと、駄目。声が裏返ってしまいやすいのである。しかしこれは、息の問題というよりは、声帯の“位置”のコントロールの問題であった。
喉仏(声帯)に指を当てて、母音を発声してみる。「ウ」や「オ」だと、明らかに“下がる”。ところがこれが「エ」や「イ」だと、動かないか、逆に“上がる”。これがいけない。意識して声帯を下げながら「エ」や「イ」を発声すると、深い、安定した音になる。「エ」や「イ」では舌の位置が高くなり、それに引っ張られる形で、声帯が上がりやすいのだ。
「エ」や「イ」で声帯を上げないための練習。ピッチを変えないロングトーンで、「ウーーオーーアーーエーーイーー」。「ウ」と「オ」で下がった声帯の位置をキープしたまま、「エ」と「イ」を発声する。喉に指を当てて、声帯の位置をモニターしたりする。
ここでまたしても、この練習の本質とは全然関係の無い“問題”で、はまる。[;^J^] 伴奏なしのロングトーンだと、ピッチをキープできないのである。[;^J^] どんどん下がる。なんと4秒と保たない。
私は、自分が音痴だと思ったことは一度も無いし、音痴だと言われたことも無い。音楽の流れの中で(言わば論理的・相対的に)正しいピッチに“当てる”ことは、楽々と出来るのだ。しかし、このように“音楽の外側で”一定のピッチを維持するという、物理的・体育会的なことは、実に苦手なのであった。恐らく、例え超ロングトーンであろうとも、それが音楽の一部であれば、ピッチが下がることは無いのでないかと思う。
それはともかく。
唇を使うこと。但し飽くまでも、補助である。使いすぎてはいけないし、ましてや力が入ってはいけない。低音域では、「エ」や「イ」で口を横に引っ張りすぎないよう、むしろ口をすぼめる感じ。これは、声帯が上がるのを押さえる補助になる。高音域では、横に引っ張るというより、横に開く感じ。これは、声帯が上がるのを押さえる助けには、ならない。本来、そうあるべきフォームであるということ。
繰り返すが、こと声帯のポジションに関する限り、唇の形は補助であり、主役は喉の筋肉である。正しく下に引っ張るように。但し、力むことなく。
コンコーネの18番。高音域を出す時に上を向きすぎる癖が、まだ取れない。上を向く(高いポジションで発声する)のはいいのだが、
1.程度問題。
2.首から上だけ(頭だけ)上向いては、駄目。
程度問題についてだが、ベストな角度というのは、本当にレンジが狭いのである。10度、いや、5度位か。
頭だけ上向くと、かえって喉が締め付けられ、息の流れが折れる、止まる。上向くのは腰から上の上体全体。それが、5度内外のスロットにはまると、響く。自分でも驚くほど。
この、上を向きすぎない、ごく狭い“正しい角度のレンジ”に通すために有効な(補助的な)方法は、ふたつある。
3.目だけ、上を向く。
4.驚く。[;^J^]
高音域では、このように声(と上体)は、上を目指すのだが、発声エンジンである下腹(重心)は、逆に(低音域の時よりも)下がる。この、上下に広がるベクトル感覚。同時に下腹は引っ込み背中は前に押し出され.. そう、つまり、一直線のパイプを、下から上へ、まっすぐに通すのである。腰の裏側(背中側)を中心として、背後に向かって引き絞られた“弓型”が、一直線に伸び上がる感じ。(但し、その角度変化は、上述した様に、ほんの僅かなものなのだが。)そして、下腹から吹き上げられた空気が、どこにも引っかからずに、このパイプを吹き抜ければいいのだ。
上記3、4を実行するためには、意外な障害がある。つまり、楽譜を見ながら歌っていると、上を向けないのであった。[;^J^] 少しは暗譜しとかないと。[;^J^]
目次へ戻るまず、前回の日記のフォローから。「便法として“驚く”」と書いたが、言うまでもなく、「驚いたような表情をする」の意である。いちいち本当に驚いていたら、神経がもたない。[;^J^]
さて、今日は、ある程度の「進歩」というか「変化」が、実感できた日であった。(甘いかな?)
「イ」の練習をする。「アーエー」と上がって「イーーー」で下りてくる音型。舌の位置と唇の形を覚える。「ア」から「エ」に移る時に、舌が高くなる。(この時に“上げる”のは舌だけ。声帯がつられて上がらないよう、注意。)「エ」→「イ」では、舌はそのままで(声帯の位置も、もちろんそのまま)、舌の両端を軽く“噛む”だけ。この時、唇の形に注意。低音では、僅かにすぼめる。突き出すのではなく、左右から“サポート”する感覚。高音では、左右に引っ張る。引っ張りすぎないこと。
響く場所を意識してみる。口の“前”の方で鳴っている時、声帯がうわずっている可能性がある。腹、胸、後頭部に響かせる。
コンコーネ19番。上がって下がる音型。
音が高くなるのと反比例して重心を下げる、下腹と背筋の動き。これは、音高が連続的に(アナログ的に)上がっていく時には、そう難しくはない。重心を連続的に(アナログ的に)下げる。難しいのは、非連続的に(デジタル的に)上がる時である。「ドーーー↑ミ↑ソ↑ドード」、と1オクターブ上がって、「ド↓シ↑レ↓ソーーー」、と少し下がる。このあとすぐ、「↑レーーー↓ド↓シ↓ラ↓ソ↓ファ」、と、「ソ」から「レ」までジャンプするのである。1オクターブ上がる過程で下げた重心を、「ド↓シ↑レ↓ソーーー」で戻してしまうと、次の「↑レ」のジャンプに、重心移動が追いつかない。この場合は、下降音型で重心を戻さず、下げままポジションを維持して、ブレスだけして、「↑レ」に当てるのである。
声は、既に(十分?)柔らかい。体も柔らかく動くようになってきた。ここまでは良し、とのこと。次の課題は、声に芯を入れること。下腹から吹き上げること。私の場合は、ト音譜表の真ん中の「C」が、一番響く。この音で練習する。うまく下腹と背筋が動くと、ハッとするような声が出る。この響きが、常に出るように。どの音でも出るように。これが次の段階である。
目次へ戻る今日は、まず呼吸法の新しい練習から。
息を吸いながら片腕を自由な向きに上げ、吐きながら下ろす。(上体を、腕を上げた方向へ、心持ち傾けつつ。)吸うときに脇腹を広げるのである。これを、もう一方の腕について。さらに両腕で。
左脚を右膝に軽く乗せ、両手を使って、左足の指を一本ずつ回して行く。次にそれぞれの指の付け根。土踏まず。甲。足首。と、徐々に上に向かって、回し、揉みほぐす。ふくらはぎ、腿、と、揉み、また手で暖めてて行き、下腹まで。これを右脚についても。(本来は、3時間位かけるらしい。今日は超ダイジェスト版である。)
次にやったのは、普通に座って、吸って、吐いて、なのだが、足先に意識を集中する。吸いながら爪先を(踵を床に置いたまま)上げる。吐きながら下ろす。足の裏から息を吸い込む感覚。これを片足ずつ行う。今度は逆に、爪先を床に置いたまま、踵を持ち上げる。これも片足ずつ、両足について。
ふたり背中合わせに座って、後半身をピタリとくっつけ、同時に発声。うまく行くと、背中のあたりで響き合う。座骨の上に正しく重心を下ろし、力が抜けていると、“響き”が座骨から頚椎に向かって走るのである(らしい。まだ、半ば実感出来る位であるが)。
呼吸法はここまでで、いつもの発声練習に移るが、うーん、まだまだ腹筋が鍛えられていない。(力を入れ足りない、という意味ではない。逆である。ことさら力を入れなくても十分に動くようになる必要が、あるのである。つまり腹筋が正しく鍛えられていないと、“力む”ことになってしまう訳だ。)
「ドッレッドッレッドレドレドーー」というピッチに乗って、「ヒッヒッヒッヒッホーーーーーー」と発声する練習。前半のスタッカートでの下腹と息の使い方に、2パターン考えられる。
ひとつは、一回毎に腹筋を使い切って、後半のレガートの前で息継ぎが必要になる位、呼気を大量に吐き出す仕方。もうひとつは、小刻みに腹筋を使って、途中での息継ぎをぜに、全体を一息でまかなう呼気の配分。
後者が本来のというか、実用的な腹筋と呼気の使い方であるが、腹筋の根性が足りないうちは、(煙突掃除のごとく)息を通すつもりで、前者の練習をするのも有効である。両方やること。
コンコーネ20番。付点音符が特徴的な、難しい曲である。腹筋の自在なヒクヒク運動が必要なのだが、これがなかなか。固くならない様に。腕をヒラヒラさせて、遊ぶ様に。(大体からして、遊んでいる様な曲なのだ。)
どうもうまくいかない。次回も20番である。
目次へ戻る帰国直後の時差ボケで1回、仕事の都合で1回、と、2回連続で休んで間が開いてしまった。
以前から不思議に(というより面白く)感じることがあるのだが、特に息を取り損なって、下腹にたまっていない状態の時、すなわち吹き出す量が絶対的に足りない時、声は出ているのだが、息は逆に“吸っている”ような感覚に陥ることがある。無論、実際には細々と吹き出しているのだが、この感覚は“いいこと”なのか“悪いこと”なのか、今度、聞いておこう。
さて、下腹を引き絞りつつ背筋を使うのだが、その際の背筋、というより背骨の入れ方。単純に漫然と全体を押し出すのではなく、5個の腰椎を、一番下のものから上に向かってひとつずつ、順番に前に押し出すのである。(この過程で、発声の重心が、前方・下方に向かって落ちていく。)手を後ろに回して、腰椎を押さえながら発声すると、この感覚がわかる。うまくコントロール出来ると、息がとても自然に吹き上がる。しかし腰から手を離して、言わばモニターしない状況で試みると、どうにもうまく制御出来ず、意識する分、却って固くなってしまうようである。ちょっと難しい。
顎を上げてはいけない。これだけは、やってはいけない。高い声を出すときには、確かに声を遠くへ放物線を描いて放るのだが、この時の角度は、本当に微妙なのである。むしろ、気持ちは上を向くとしても、顔(首)はまっすぐ前を向いている方が、まだましな位だ。(最終的には、“正しい角度で”上に向かって発声するべきなのである。もちろん。)
“口”で発声しないこと。“口”に力を入れないこと。吹き上がってくる息で、口が自然に“開かされる”感覚で。
口のことを考えない。意識しない。極論だが、口なんか放っといても、息さえ出れば、声は出るのである。
顎を使わないこと。顎に責任を負わせないこと。顎で解決しようとしないこと。顎がでしゃばっても、何も解決できない。顎が出れば出るほど、声は駄目になる。
コンコーネ20番。この付点音符の“軽やかな”音型は、本当に難しい。
下腹をヒクヒクさせて、息を軽く叩き出す(というほどには、力まない)のだが..“軽く”を意識すると、固くてどうにも動かない(少なくとも、発声に寄与する−影響を与える−ほどの動きにはならない)し、“息の量”を意識すると、野放図に(しゃっくりのように)暴れて、声量のコントロールが出来ない。
各フレーズごとの(上がって下がる)マクロの動きと、小刻みな付点音符のミクロな動きが、両立しないのである。
それでもなんとかOKが出て、次回は21番。難しい曲が続く。
目次へ戻るまず、前回の疑問から。「息を吸いながら声を出しているような錯覚に陥ることがしばしばあるのだが、これは良いことか悪いことか?」(実際に吸いながら発声する技法もあるのだが、それとは別。)
それは、息が細く、体の動きが止まって力が入っている顕れであろう。非常に長いフレーズをひと息で歌う時や、ごく細い声で弱音で歌う時など、息がほとんど出ないことはあり得るが、それはまだ先の課題である。今は“息”の外への流れを“喉”で感じるべき。その時、ストレートに吐き出してはいけない。回しながら出すこと。それには体の動きが必要で、力が入っていては出来ないはずだ。
答えは、“悪いこと”である。
補助運動を2種類。まず、片方の座骨の下に手を入れ、それと反対側の(対角線の先の)足の土踏まずを、踏みしめる。その時、座骨に力が入ることを実感する..実感出来ない。[;^J^] いや、動くには動くのだが、同じ側の座骨も動くのであって、これらが質的にどう違うのか、釈然としないのである。次に、これは運動というかなんというか..力を抜いて自然に立って、足首と膝の力を抜く。その時、自然に下腹に力が入ることを実感する..実感できない。[;^J^] 連動している感覚がない。これらはいずれも、重心を低く感じる練習である。
喉が疲れてはいけない。喉が痛くなってはいけない。体が動き体が疲れるのが、正しいのである。体が動けば、喉を使う必要は無いのである。
高音を出すのは、容易なことではない。額をあけること。そこから息を出す……“速く”出す。自分の体から、出来るだけ“速く”“沢山”、息(の塊)を出してやる。そうすれば遠くまで届く。
高い音は、息の量、息の高さ、息のスピード、息のタイミング。これだけ揃わないと、出ないのである。(そしてもちろん、フォームと骨格も。)
だから、補助運動として手を回す時は、音型のピークと、吐く息のピークと、手が真上に来るタイミングを、合わせなくてはならない。吐息のタイミングと音高とを同期させるための、補助運動なのであるから。
息を回す練習は、遅い動きの音型と速い動きの音型、両方でやること。遅い音型は、力を入れてしまいやすいのである。(速い音型は、力が入りにくい。)
さて、21番だが、練習不足ということもあって、話にならない(手におえない [;^J^])。体のフォームが判らないというか、釈然としないのである。立って歌うよりはましかも知れないということで、座って歌ってみる。いくらかましである。恐らく、脚のことを“考え”ずに済むからだ。つまり(体を自然に動かしているのではなく)頭で考えながら歌っている、ということになる。
いずれにせよ、次回もう一度、21番。
目次へ戻るゴールデンウィークで1回、爆忙で1回、と、2回連続で休んでしまい、ほぼ40日ぶりのレッスンである。これだけ間が開いた割には、結構、息は回っているようだ。そこそこ楽に声は出る。
“無理しさえしなければ”。
私の問題点は(言うまでもなく)いくつもあるのだが、こと“声量”という観点からみると、腹筋と背筋が鍛えられていないことが、もっとも大きい。しかしこのレッスンでは、(少なくとも今の段階では)声量は問題とされていない。となると、どうしてもこれらの筋肉の鍛練が、お留守になりがちである。そして、声量はこれらの筋肉にしか由来しないものなのだ、ということが“頭でしか”判っていない。するとどういうことになるかと言うと、声量を要求される場合に、喉で絞り出してしまうのである。結果、数十分と保たずに、ゲホゲホ状態になる。(先日の、「お気楽ヴェル・レク」練習会でのことである。いや別に、大きな声を出せとは、ひとことも言われなかったのだが、合唱団よりもオケの方が人数が多く、しかも金管はフル編成状態だったので、自分の声を聴こうとするだけで、大声になってしまう。)
コンコーネ21番。息の長い上下降するフレーズや、細かく千切れたフレーズ素片や、速い付点音符や、アクセントや、とにかく色々な要素の入った難しい曲である。
細かい腹筋の使い方。どうもコントロールが効かないというか、しっかり腹筋を入れようとすると、野放図に息が吐き出されるし、声量をセーブしようとすると、腹筋の動きが本当に“形だけ”になって、声はほとんど囁き声になる、という、オールオアナッシング状態だったのだが、腹筋をいちいち全部引っ込めないように、1音(1拍、あるいは1フレーズ素片)ごとに、小刻みに階段状に引っ込めて行くように、と、指示され、少し制御しやすくなる。
息の向きに注意する。音域が上がる時は、発音ポイントも上がり、息も上を向くのだが、顎が上がってはいけない。そして重心はむしろ逆に下に落ちるのである。かつ、下腹は引っ込み、背中は前にでるのだから、体の前半分が、上下に開く感じになる。そして息の量は、低音域の時の5倍は必要になる。
目次へ戻る左腕(利き腕ではない方の腕)を大きくゆっくりと回しながら、発声練習。利き腕ではない方の腕は、もとより力が入らないので、これを回すことによって、上体の力が抜けやすくなる。(利き腕だと、つい“力強く”振り回してしまいがちになるのだ。)但し、これが有効なのは、元々力が(ある程度以上)抜けている人である。口の回り、音の回りに声が固まっている人には、効果がない。
“固まった声”は、よろしくない。“強い音”は、要注意である。柔軟さを欠いた上体、下腹を使わない喉から絞り出す発声でも、“力強い”大きな声量を出すことは出来る。しかし、それは正しい発声ではないのである。その“固くて強い”声は、喉を痛めるだけで、遠くへ届かない。
低音と高音では、口の形を変えなくてはならない。特に苦手なのが「イ」の発声だが、これは低音では、むしろ「ウ」に近い口を作る。高音になると“笑うように”口を広げる。
この、笑うような口の形というのが、とても苦手なのだ。
コンコーネ22番。速い音楽だが、まずはゆっくり。細かい付点音符がない分、最近のいくつかの練習曲よりは余程楽に歌えるが、下腹が油断してしまうきらいもある。
目次へ戻るLast Updated: Aug 1 1997
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