大松右京のラプソディ

 人間で満杯の、異常な日本。通勤列車の殺人的ラッシュ、コインロッカーにも捨て子のラッシュ。

 満員すし詰めのホテルをあとにして、相変わらずもてないフースケが、海辺の神社で寝ていると、現れたるは、全裸のイザナミノミコト。主人(イザナギ)が浮気して逃げたあと、孤閨を守っていた彼女は、フースケを抱いて飢えを癒す。お礼に願い事をひとつかなえてつかわそう。では、土地が欲しい!

 全国的な大地震! 海底隆起! 富士山は標高5千メートルとなり、四国と中国は陸続きとなった。土地会社と商社と銀行は、たちまち土地を切り取り奪い合い、自分の所有権を主張するフースケは、放り出される。

 そうこうするうちに、東京は標高1千メートル。日本は膨れ上がる一方だ。ある夜、フースケの夢枕に現れたのは、腹の膨れたイザナミノミコト..お、俺の子か!?

 そして十月十日目に日本はパンクして、子どものミニ日本が生まれた。

 タイトルと本文には何の関係もありません、とエピローグにあるが、もちろん、小松左京の「日本沈没」の裏返しである..が、確かに、元ネタの指摘をするのも虚しい、小気持良いほどに無意味な作品である。こういう駄作も、悪くはない。


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 2 1997 
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