ミッドナイト:ACT.39

 夜の盛り場で、女子高生と思しき4〜5人づれといちゃつきながら、ミッドナイトのタクシーに乗り込んで来た男。どうやら彼女らの先生らしいが、ミッドナイトに返事を強要し、礼節を厳しく説く男である。不快感を飲み込むミッドナイト。

 彼ら全員を送り届けたあと、タクシーの中に実印が落ちていた。ミッドナイトは一晩じゅう探し歩いて、ようやく、高校の体育の教師である、例の男を探し出し、校庭で授業中の彼に手渡した。彼は、礼どころかろくに返事もしない。むかっぱらを立てたミッドナイトは、こんな学校潰れちまえっと、校門から退出するが、体育の授業を受けていた女子生徒たちが、彼を追いかけて来て、先生の代わりに謝るのであった。あの先生は問題が多く、非常識で、一部の生徒をえこひいきしては盛り場に連れ出したりする。学年一同、校長に抗議して、PTAを動かしてでも、あの先生をやめさせるつもりだ。だから、どーか、私たちの学校を、嫌いにならないで下さい..と。

 毒気を抜かれてたじたじとなったミッドナイトは、どういたしまして、と、気分良く帰路についたのである。

 平凡な話であるが、この教師の性格が、読み返すのも嫌なほど [;^J^] しっかりと書き込まれているので、物語がシャンとしている。


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 17 1996 
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