電話で、パーティーに呼び出された、ミッドナイト。そこは車のスクラップ置き場であった。ミッドナイトと彼の車を待っていたのは、かつてミッドナイトが乗っていた、フェラーリ。彼女（フェラーリ）は、ミッドナイトが今の愛人（車）に乗り換えたのが、我慢ならないのだ。しかも彼女の部品を取り外して、今の車に装着するに至っては！
よりを取り戻そうと、迫るフェラーリ。逃げるミッドナイト。運転の癖から、彼は、フェラーリに乗っているのは、５年前の暴走族仲間、彼の恋人気取りだったが、麻薬に溺れて収容所行きとなった女だと見抜いたが、運転を誤って川に飛び込み、沈んでいったフェラーリには、誰も乗ってはいなかった。
無数の作例がある“意識を持った車”パターンの中で、特に取り上げるほどの独自性は、ない。
倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 17 1996
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