ここでも作者は、“残酷さ”の告発に対する、疑念を表明している。これはアメリカでの反応だけではなく、日本でも、そういう非難があったわけである。同じ人間が、一方では残酷に(戦争で)人を殺しながら(あるいは殺すことを容認しながら)、それに比べれば遥かに生温い、漫画の残酷表現を容認できないこと。そして、かつては残酷に見えた表現が、今の目には対して残酷にも見えないこと。これら、表現者が立ち向かわなければならない問題を、作者は提起している。
Last Updated: Aug 14 1996
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