三つ目がとおる:スキャンダル

 担任のノラキュラは、愚にもつかぬスライドを生徒に見せて悦にいることに、凝っている。その煽りで休み時間がなくなった写楽は、デートに間に合わない、と、すっとんで行き、そのことを知った和登サンは、ショックを受ける。(デートの相手は、和登サンではなかったのである。)写楽のあとをつけてみると、なんのことはない、ガールフレンドは幼稚園児である。一瞬安心した和登サンだが、10年後のことを考えると、楽観は出来ない。

 そこに現われたノラキュラは、遊んでいる場合か、と、写楽をどやしつけ、写楽のガールフレンドを追い払ってしまう。ラーメンの油を持参して、校医にバンソウコウを剥がしてもらった写楽は、標本室の(半身が血管図になっている)人体模型に皮を被せて、“写楽の姉”の機械人形を作り、ノラキュラを色仕掛けで垂らしこむと、この人形に乱暴狼藉を働かせ(皮膚が剥がれた人体模型に、押し倒されたりするのである)、散々な目に合わせたところを写真に撮り、スライドショーを開催するのであった。

 写楽とノラキュラ、それぞれのスキャンダル。


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 15 1996 
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