三つ目がとおる:給食

 写楽に家庭料理を味わわせようと、和登サンは弁当を作って持たせる。写楽は大喜びであるが、学級委員の唐口女史に取り上げられ、給食の残り物を全部食べてからなら、この弁当を食べてもいい、と、意地悪をされる。意地で数人分の給食を平らげるが、いまさら(楽しみにしていた、和登サンの)弁当を見てもげっそりとして食べられない写楽を嘲る、唐口。当然、和登サンと唐口の取っ組み合いの大喧嘩となる。

 和登サンにバンソウコウを剥がされた写楽は、無論、報復を開始する。給食調理室に侵入すると、三つ目族に伝わる食肉用家畜飼育薬を作り、鍋の底に塗る。バンソウコウを剥がしたことを後悔し、企みを阻止しようとする和登サンは、逆に天井にバンソウコウで張り付けられてしまう。

 翌日、この鍋で調理された給食を食べた、唐口女史を含む2年C組の生徒は、巨大なブタ体型と化す。彼らのたてる地響きで、天井から墜落した和登サンは、下敷きになった写楽を締めあげる。

 唐口の写楽に対する苛めは、相当酷いタイプのものであり、これに対する報復は、まずまず筋が通っているとしても、巻き添えにされた他の生徒は、いい迷惑である。


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Aug 13 1996 
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