アフリカのガボンの奥地で、ブラック・ジャック病の診療に追われる、ブラック・ジャック。この病名は、これと戦って死んだクーマ医師が名付けたもの。ブラック・ジャックでなければ治せない、という意味が込められていた。しかしこの難病の手術は困難を極め、ブラック・ジャックは17人手術して、17人とも死なせてしまった。両親をこの病気で失った娘、ルンバは、祖先の霊が宿る刀で悪魔を切ってくれと、ブラック・ジャックに申し出る。無論、戦闘用の大振りな刀で手術は出来ない。
クーマ医師によると、原因は、この地方の常食であるヤムイモではないかということだった。ブラック・ジャックのもとに、カイロ大学から分析結果が届き、それによると、放射能による異状が認められると!
ルンバに案内させてイモ畑を調査したブラック・ジャックは、一部の畑のイモだけが、突然変異を起こしていることに気付く。放射能だ。その原因は、墜落した原子炉衛星! そのとき、彼らを上空から監視していた軍用ヘリが攻撃してくる。無論、機密保持&証拠隠滅のために派遣された、某国の工作員だ。
反撃するブラック・ジャックとルンバ。ヘリは炎上し、ルンバの祖先の刀は、見事に工作員と刺し違える。彼女の刀は、悪魔を殺したのだ。
前作「ブラック・ジャック病」の後編をなし、真相を明らかにする、重要なエピソードである。これが単行本に収録されないのは、全く納得できない。原子炉衛星の落下という題材が、不穏当であると判断されたのだろうか? 理解できない。
Last Updated: Aug 12 1996
Copyright (C) 1996 倉田わたる Mail [KurataWataru@gmail.com] Home [http://www.kurata-wataru.com/]