ブラック・ジャック:最後に残る者

 未熟児の六つ子が生まれた。いずれも衰弱しており、生存が危ぶまれている状態だが、6人めだけは生き残りそうである。しかしその6人めは、一ヶ月目の胎児の姿のまま生れてしまった、奇形児だったのだ。院長は悩んだあげく、密かにドクター・キリコに安楽死の依頼を出す。

 ドクター・キリコはブラック・ジャックの通報で税関で掴まり、不審者としてぶち込まれる(安楽死装置の目的を説明できなかったので)。キリコの代わりに病院に現われたブラック・ジャックは、一人また一人と死んでいく兄弟の体のパーツを使って、6人めの奇形児を、まともな人間の姿に作り替えて行くのだった。

 怪物のごとき姿で生まれた子供にも、生き延びる権利はある、というストレートなメッセージ。「怪物のごとき姿のままでは、生き延びる権利はないのか?」という疑念に対しては、院長の、たとえブラック・ジャックが現われなくても、この子を殺すことは思いとどまっただろう、という言葉。


*「ブラック・ジャック 13」(少年チャンピオンコミックス)


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: May 3 1996 
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