ある病院の院長のあととりの息子が、アイドル(亜古賀礼子)の歌番組を録音しながら看護婦にいい加減な指示を出し、看護婦がその指示通りに患者に注射をしたところ、患者はショック死する。全ての証拠を抹消し、看護婦に全責任を負わせて病院から追放した院長と息子。自殺しようとした彼女を引き止めたブラック・ジャックは、事情を聞いて(何やら面白がって)ひと肌脱ぐ。
半年後、ブラック・ジャックによって、亜古賀礼子そっくりに整形手術された看護婦は、恨み重なる病院に院長の息子の秘書として入り込む。亜古賀礼子にぞっこんの彼の油断につけこんだ彼女は、証拠となる歌番組の録音テープ(院長の息子の指示が録音されていた)を持ち出すことに成功し、ブラック・ジャックはそのテープをネタに、院長から一億円巻き上げる(恐喝である [;^J^])。彼が看護婦を亜古賀礼子そっくりに変身させ得たのは、実は、亜古賀礼子の顔も、そもそもブラック・ジャックが作ってやった顔だからであった。
ページ数に見合った分量のドラマが過不足なく盛り込まれ、オチも小気味良く決まっている好編。(76年当時は、テレビの音声をマイク経由で(オープンリールテープに)録音することに、違和感がなかったようだ。)
Last Updated: May 3 1996
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