う〜むむむ、納得いかん![;^J^] 人間消失と龍の足跡、という謎は飛び切りなんだが、真相がどうにもこうにも。龍の足跡は潜水服によるものであり、アリバイ工作は「泥酔した振り」。私は、教条主義的な謎解き至上主義者ではなく、飛び切りの謎めいた(あるいは神秘的/怪奇趣味的な)設定であれば、それを完璧に生かし切らなくても、そこそこの結末であれば、「ラストは興ざめだがそれまでは大傑作」といった肯定的評価を、むしろ積極的に与えたいと考えるタイプなのだが、本書はどうにもならん。[;^J^] つまらん真相がひとつならば弁護の余地があるけれど、ふたつ重なってしまっては。せっかくの龍や魚のペダントリィも、本筋ではなかった、と、ファイロ・ヴァンスが自分で認めているし。
創元推理文庫Last Updated: Jul 15 1995
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