C・ライス「すばらしい犯罪」


 二人の女性を殺した殺人犯人の意図を妨害するために、被害者の近親者(医師)が、死体の首を切断して入れ替える。一体分余るのだが、これは細かく切断して自宅の庭に持ち帰り、埋めてしまう。書き様によっては、まことに凄惨な物語になるところだが、飄々としたユーモアに騙されて [;^J^] スラスラと読めてしまう。犯罪者を告発する立場にあるものが、(殺しこそしないが)どちらかと言えばより重大に見える犯罪行為によって、犯人を苦しめるのがみそ。シカゴを愛しニューヨークを認めないマーロウの言動が、いわゆる「シカゴ・コンプレックス」だろうか? 酔っぱらいの記憶喪失の悪夢は、実に良く描けている。[;^J^]

*早川ミステリ文庫


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 15 1995 
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