E・クィーン「Xの悲劇」


 犯人は、いわゆる「見えない男」に化けていた。第一と第三はともかく、第二の殺人では、入れ替わる(というより、自分の存在を消す)ために、「ほぼ」識別不能の死体を作らなければならないのだから、この殺人方法はちょっと無謀である。「読者への公開状」に「推理小説界のいわゆる本格派…読者に対するフェア・プレイを至上のものと考える特殊の分派…」という一節があり、これは、SFにおける石原藤夫のハードSF観を想起させる。

*ハヤカワ文庫


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 15 1995 
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