大下宇陀児「紅座の庖厨」


 奇妙な「味」の小説である。この類の話は大概カンニバリズムが落ちになり、それをどう捌くかが腕の見せ所になるかと思うのだが、非常に血生臭い状況を飄々とすっきりと仕上げており、読後感も悪くない。

*大衆文学大系21 講談社


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 15 1995 
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