A・A・ミルン「赤い家の秘密」


 館の主人の兄弟が、15年振りに異国から帰ってきて、その館の中で殺され、主人は失踪する。実は主人がその兄弟に化けていて、自作自演の末に殺されたのだが、今の目から見れば珍しくもないトリックに、良く言えば虚心に読んだから、悪く言えばボ〜ッとしていたから[;^J^]騙されてしまった。言わせて貰えば、白骨死体ならともかく、生身の(?)死体が、これほど見事に取り違えられてしまうというのは、当方の常識外であったのだが、70年前の作品ではあるし。この物騒な自作自演をした動機と、殺されるに至った理由は、説得力がある。

*創元推理文庫


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 15 1995 
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