一角獣に突かれたかのごとき傷跡、という猟奇な設定はいいのだが、これの種明かしは案外つまらない。成り行きで巻き込まれる主人公とヒロインが、不思議な城館に辿り付くまでの、序盤の趣向がいい。良く似た人物(殺人犯を含む)3人が、二重に変装しあっていた、というトリックは、人工的すぎて好感を持てない。
別冊宝石 昭和32年2月号Last Updated: Jul 15 1995
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