A・クリスティー「シタフォードの謎」


 第一発見者=犯人。スキーによる時間稼ぎ(高速移動)については、片道6マイルの徒歩行、と、何度も強調されているからとは言え、被害者宅までは単調な下り坂なのだから、作中誰も気がつかない方がおかしいのだが(かくいう私も気がつかなかったが [;_ _])、その状況を作るために、降霊会を利用して不安をかきたて、強引に視察に行く、という工夫は面白い。が、一層面白いのは犯行動機で、探偵役の新聞記者が犯人に接近する際の理由(口実)として、あまりにもご都合主義的に導入されて、そこを読んだ時点では少々呆れた、£5000の懸賞金の詐取であった。フェアな伏線が、十分に張り巡らされている。まとまりが良すぎるのが難点と言えば難点か。(ほとんど難癖。[;^J^])

*創元推理文庫


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 15 1995 
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