A・クリスティー「スタイルズ荘の怪事件」


 一旦疑いをかけられたが、アリバイがあったので(逮捕される以前に)疑惑をとかれた男が、実は犯人。彼の真意は、その時点で逮捕され、裁判にかけられ、その上でアリバイを立証されることにあった。同じ容疑で二度逮捕することは出来ないからである。読者の疑惑は、それ以降、完全に別の女性に誘導される。なかなか巧みなミスディレクションである。犯人の共犯者の正体は、まさに意外。

*早川ミステリ文庫


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 15 1995 
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