[好きな現代音楽 5]

「ピアノ協奏曲 第2番」松村禎三



 実に“かっこいい”音楽である。純粋に音楽的に感動できる現代音楽の典型である。(余談だが、例えばペルト。彼の音楽は定義上現代音楽なのだが、その語法は完全に数百年前のものである。他の作家と並べて評価(あるいは批判)していいものかどうか、未だに判断出来ない。)

 ここに聴かれる語法は、決して新しくはない。ほとんどラヴェルかプロコフィエフか。第1楽章の無窮動風のオスティナートもそうが、特に第2楽章後半の(次第にオケが被さってくる)長大なピアノソロは、これはどうあっても「左手のためのピアノ協奏曲」のそれを想起せずにはおれない。

 理屈抜きで、“大衆(あるいは聴衆)モード”に立って、好きだと表明させていただく。理屈付き(理屈こじつけ)モードとしては、こういう判りやすい音響が“現代音楽”の間口を広げるであろう、と、述べさせていただこうか。言い忘れていたが、(アクセサリとしての)無調風の響きを時折はさむ、調性音楽である。

*Camerata 32CM-120 “民音現代作曲祭 '89”


MASK 倉田わたるのミクロコスモスへの扉
Last Updated: Jul 13 1995 
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